デュシェンヌ型の筋ジスと診断されたご家族へ|当事者が語る19~20歳の経験

デュシェンヌ型筋ジストロフィー

どうも!筋ジスブロガーの翔平坂やで~

介護の世界はいつ崩れてもおかしくない、
誰か1人の犠牲で成り立ってしまう。

俺が耐えれば、家族が楽になる。
家族が自分の人生を生きてくれる。

その思いだけが、自分のすべてで、
それ以外は考えないように心を騙した。

今回の記事は、
筋ジス当事者の翔平坂の
19歳から20歳までの経験から、
介護によって家族を犠牲にする罪の意識と
被害者面して自分の人生を
生きられない弱さに苦しみ、
自分の人生を取り戻すまでを書いていく。

この記事を読んでいただくと、
デュシェンヌ型筋ジストロフィー
(DMD、以下「筋ジス」)
当事者の
これまでの経験を通して、
誰かを犠牲にする介護の問題、
心を殺して、自分を見失う怖さを
知ることができます。

参考になるかはわからないが、
大人になった筋ジス当事者の経験から、
未来を想像してみてほしい。

筋ジスのあなたやご家族に
希望を届けられますように…

それでは最後まで
お付き合いしていただけると幸いです。


※本記事は当事者の体験記です。
医療判断は主治医へご相談ください。

【内容注意】
罪悪感・自己否定に関する表現があります。
必要に応じて読み進めるタイミングを調整してください。

困ったときは、各自治体の相談窓口や
医療機関へ早めにご相談ください。


【用語ミニ辞書】
・移乗:

車いす⇔ベッド・便座へ体を移す介助
体位交換:
褥瘡予防などのため、寝姿勢を変える介助
短期入所(ショートステイ):
数日間の宿泊支援
計画相談:
相談支援専門員が支援計画を作成・調整

高校卒業後:家族だけで抱えた現実とヤングケアラー

介護の世界はいつ崩れてもおかしくない、
誰か1人の犠牲で成り立ってしまう。

本人や家族の当たり前の生活を作るうえで、
この犠牲は無くさないといけない。

ここでの当たり前の生活とは?
障害があっても、排泄や入浴などの
最低限の暮らしが制限されることなく、
家族の介護負担も少なく、
本人と家族の心と体の健康が守られる生活。

高校卒業を期に寮から実家へ戻り、
直面したのが当たり前の生活を作る難しさ。

今まで中高在学中は、
土日祝と長期休み以外は寮で過ごし、
ある程度は自身の力で、
できていたこともあり、
家族が担う介助の負担が、
そこまで多くはなかった。

実家での生活へと戻ると、
家族は介護と向き合い続けないといけない。

そこに、筋ジスの進行が重なり、
おのずと介助が増え、
肉体的・精神的に家族の負担は増えた。

なにより、弟たちを
ヤングケアラーにしてしまったのは、
今でも思い出すと心苦しくなる。

※ヤングケアラー:家族のケア責任を
日常的に担う18歳未満の子ども。

家族の負担を軽減するために始めたのは

・ショートステイ利用(月3回、2泊3日)
・訪問介護(ホームヘルプ)|排泄介助など
・訪問入浴(月10回利用)

日々の生活で、最も苦痛だったのが、
行きたいときにトイレへ行けないこと。

理由は、排便の際に
車いすから便座への移乗が必要で、
父親がいるタイミングや
母のサポートができる弟がいないと、
トイレに座ることが難しく、
便意を催しても我慢していた。

トイレに座れるときに
出しておかないというプレッシャーが、
心と生活を支配。

おむつを履けばいいと思われるだろうが、
それは若者のプライドが許さなかった。

母をボロボロにするまで、苦しめたのが、
夜間の体位交換

筋ジスの進行によって、
自分で寝返りをうてなくなると
身体が痛くなるたびに
体位交換を繰り返す日々。

母の睡眠時間を削ってしまうのが、
いつも歯がゆかった。

母は家事をこなし、弟たちの世話をし、
兄と俺の介護をする。
本当に犠牲になっていた。


家族構成:7人家族
・父/母/兄(筋ジス)/俺(筋ジス)/弟/弟/妹

ショートステイや作業所での閉塞感/現実逃避

家族の負担を減らすために、利用を始めた
障害者施設へのショートステイ。

この施設での生活は本当に苦痛だった。
それでも行きたくないとは言えなかった。

施設となると、様々な特性を抱えた
障害をもつ人々が暮らしている。

ある利用者さんに話しかけられて、
会話すると、理不尽に怒られたり、
同意を求める利用者さんの言葉に
「そうですね」と答えると泣きだされる。

だから、食事中は話しかけられないように、
無言で早く食べては部屋に逃げ帰っていた。

そういう環境にいたくなくて、
施設の外で過ごすことが多かった。

晴れた日はコンビニへ行って公園で、
雨の日は図書館で気を紛らわす日々。

ただ早く時間が過ぎてくれと願いながら、
施設での生活を耐え忍んでいた。

高校卒業後の進路に進学も考えたが、
やりたいことがないのに
無理に大学へ行くのは違う気が…。

筋ジスで障害が重くなることが
分かっていたから
将来、奨学金を返せる自信もなかった。

少しでも社会の歯車になりたくて
一般就労を目指した時期はあった。

やけど様々な要因が重なり、
学校が斡旋してくれた
生活介護事業所を選んだ。

「ここには学校が斡旋したから
自分で選んでない、仕方ないから来ている」

行くことを選択したのは自分なのに、
勝手に人生が決められている
と思い込んでいた。

生活介護は雇用ではなく
福祉サービスなので
賃金ではなく“工賃”という位置づけ
(最低賃金の対象外)。

※制度や工賃水準、活動内容は事業所により大きく異なります。
見学・相談で自分に合う場所探しを。

その仕組みを自分に都合よく解釈し、
「頑張らなくていい理由」に
してしまっていた__と今は反省している。

最低なことに、ひたむきに頑張って
働いている人たちに対して、
この人らとは違うと馬鹿にしていた。

そのくせ、小心者で
悪びれることもできずに、
真面目な好青年を装う情けなさ。

ダサい武勇伝を語っていないと
自分に自信が持てない若さ。

障害があるからと被害者面して、
大人になり切れずに、
世間に舐めた態度をとっては
自分以外を馬鹿にして、
自分の人生と向き合えない弱さと
世間が悪いと逃げていた。

(当時の未熟さを振り返っての自己批判)

本当に反省の時代やった。
でも、この時代がなかったら
今の自分はないとも思う。

近所の難病のグループホームがくれた“安心”と自己回復

ショートステイ利用のために、
施設まで1時間以上かけて通っていた。
この移動が体力的に厳しくなり、
この施設での生活を止めることになる。

実家近くにあった難病のグループホームで
ショートステイを利用することに…。

ここでの暮らしは、自分の中で驚くほどに
快適で精神的な苦痛がなかった。

ここでのアットホーム感が新鮮で、
住人さんは皆それぞれに
自分の人生を生きていて、
人生を諦めていた自分が
恥ずかしく思ったのを覚えている。

その血の通った環境が
麻痺した心をほぐしていき、
自分を取り戻すきっかけに…。

しばらくして、この場所に入居が決まり、
本格的に家族と離れる自立に希望を感じた。

ここでの生活を始める中で
今後、どういう支援が必要なのか?を
話し合った際、
「やりたいことは何かあるの?」
と聞かれたとき、
何も思い浮かばず、思考が停止した。

自分の想いを後回しにしてきたせいで、
やりたいことがわからなくなっていた。

家族がどうだとかを言いそうになる。
これは、とんでもない重症だと気付く。

しばらく、思いついたことをやりながら、
ゆっくりとやりたいことを探す日々となる。

心のリハビリをするかのように
好きな映画館に通ったり、
イベントに参加したり、
ドローンを購入して飛ばしたり、
行きたいところに行っては
いろんなことに触れてみた。

生活・介護の面で安心できる環境を
手に入れたことで、
明るい未来を想像できるようになり、
自分の人生をどう生きたいか?を
考える余裕ができた。
そして、自然に笑う自分に驚いた。

気付けば、障害を前向きに受け入れ、
与えられた環境でも
力を出し切れるようになった。

充実した日々を送る中で、
やりたいことが見つかった。
それは「ひとり暮らし」

人に気を遣って生きてきたから。
誰にも気を遣わずに
生きる生活をやってみたくなった。


サービスを受ける際は、
お住まいの自治体の障害福祉窓口や
相談支援専門員、指定相談支援事業所にまず相談を。

重度訪問介護/居宅介護
/移動支援(外出支援)
/ショートステイ(短期入所)
/共同生活援助(グループホーム)
/計画相談(相談支援専門員)
状態に応じた選択肢がある。

※名称や利用要件は自治体で異なる場合があります。

まとめ

ということで、
筋ジス当事者の翔平坂の
19歳から20歳までの経験から
介護によって家族を犠牲にする罪の意識と
被害者面して
自分の人生を生きられない弱さに苦しみ、
自分の人生を取り戻すまでを書いてきた。

この時は筋ジスが大きく進行することなく、
自分の病気よりも
介護から家族を守ることが重要だった。

自分の想いを殺すために、
世界に怒りをぶつける。
自分の心を守る術がそれしかなかった。

心を殺して、心に耳を傾けることをやめれば、
心が麻痺してきて、何も感じなくなる。

心も体も安心できる環境を
手に入れたとき、
やりたいことがなくなっていたのに気づく。

筋ジスが自分を生きられるようになるまで
待ってくれたのかもしれないと思ったり…。

この記事が、当事者と家族が
“誰か1人の犠牲”に頼らない
仕組みづくりを考える
小さなきっかけになればうれしいです。

また、よろしければコメント欄にて
今回の記事・筋ジスについて、
あなたの気になったこと・ご経験、
ご意見・ご感想を
お聞かせいただけると幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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