筋ジスと診断されたご家族へ伝えたい想い|当事者が語る0~12歳までの経験#①

デュシェンヌ型筋ジストロフィー

どうも!筋ジスブロガーの翔平坂やで~

お子さんがデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断されたとき、
ご家族は先の見えない不安に包まれると思う。

親として、何をどうすればいいのか分からない。
「なぜ自分の子が?」と世界を恨み、
同時に、どこかで自分を責めてしまう。

その感情は、自然なものや。

今回の記事は、
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの当事者である翔平坂が、
0歳から12歳までに感じてきたことをもとに、
ご家族へ伝えたいことを綴っていく。

難病が進行する中で、
子どもながらに何を思い、
何に救われ、
どんな時間が心に残ったのか。

そして、その時期に大切にしてほしいこと。

この記事を通して、
進行していく筋ジスとどう向き合い、
どう生きていくかのヒントが
ひとつでも見つかればうれしい。

参考になるかは分からない。
でも、大人になった当事者の視点から、
少し先の未来を想像する材料にはなるはず。

どうか、最後までお付き合いください。


※本記事は、筆者(翔平坂)がデュシェンヌ型筋ジストロフィー当事者としての実体験と
個人的な価値観をもとに執筆しています。
※医療的な判断や治療方針については、必ず主治医・専門医とご相談ください。

本記事は診断や治療を代替するものではありません。
※本文には、診断直後の不安、抑うつ状態、自死に関する記述が含まれます。

心身が不安定な場合は、無理をせず、信頼できる人や医療機関、各自治体の相談窓口へご相談ください。
※症状の進行や経過、感じ方には大きな個人差があります。

本記事は一人の当事者の経験例としてお読みください。
現在医療や支援の進歩によって変わり続けています。

最新の情報は必ず医療機関で確認してください。

診断直後のご家族へ:まず伝えたいこと

デュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断されたとき、
ご家族の胸の中は、
先の見えない不安でいっぱいになると思います。

「この子はこれからどうなるのか」
「どんな人生を歩むのか」
その答えが、すぐに見つからないからこそ、
苦しさは大きい。

そして、ご両親はどこかで、
自分を責めてしまうのではないでしょうか。

でも、まず伝えたい。

親であるあなたは、何も悪くありません。

生まれつきの障害は、
誰かを責めるためにあるものではない。

苦しさはあっても、
それでもこの世界は、美しい瞬間にあふれている。
その世界に生まれ、
あなたと出会えたこと自体が、
かけがえのない出来事です。

この難病とともに生きてきた立場から、
あえて言わせてください。

大丈夫。なんとかなる。

きれいごとに聞こえるかもしれません。
たしかに、不安で眠れない夜もある。
将来を考えて、押しつぶされそうになる日もある。

でも、それでも人は、笑って生きていけます。

振り返れば、
俺はちゃんと乗り越えてきたし、
今、胸を張って「いい人生や」と言えます。

障害があろうとなかろうと、
人はみんな、
ときどき自分を不幸だと感じる瞬間があります。
それは特別なことではありません。

けれど、その先には、
思っている以上に広い世界が待っています。

あなたとお子さんの未来は、
決して暗闇だけではない。

翔平坂が生まれた頃と比べても、
医療も支援も、確実に前進しています。
最新の情報は、どうか主治医と確認してください。

そしてもう一つ、
どうしても伝えたいことがあります。

あなた自身も、人生を楽しんでほしい。

親の幸せは、ちゃんと子どもに伝わります。

泣きたいときは泣く。笑えるときは笑う。
それでいい。

完璧な親にならなくていい。
一緒に生きていけばいい。

それだけで、十分です。

違和感と喜びと、しんどさのあいだで

0歳|はじまり

生まれてすぐの血液検査で、
デュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断された。

兄の血液も調べると、同じ病気だった。

あとから聞いた話やけど、
それを知った母は、
共に命を絶つことを考えたという。

※ここから先は、心の揺れを含む記憶です。

友達と遊ぶ子どもたちの姿を見て、
思いとどまってくれた。
その選択に、今はただ感謝しかない。


5歳|おぼろげに残る記憶

周りの友達に必死でついていき、
全力で遊んでいた毎日。

言うことをきかない体もしんどさも、
その頃は気にならなかった。

子どもの世界には、
“気を遣う”という概念がない。
容赦はないけど、ある意味で平等やった。

それでも、子どもながらに、
周りとの違いという違和感には
気づき始めていた。

理由はうまく言えへん。
でも、「何かが違う」という感覚だけは、
はっきり残っている。


8歳|“できた”体験が自己効力感に

ゲームを買ってもらえる条件で、
自転車に乗る練習を始めた。

とにかく必死やった。

走れた瞬間の感動は、今も忘れられへん。

自分の足では走れない。
でも、自転車なら風を切れる。
ぐんぐん進むあの感覚。
自分の力で前へ進む喜び。

雨の日も雪の日も、
噛みしめるように走り続けた。

今も胸に残る、確かな幸せの記憶や。


10歳|移動手段の変化と“しんどさ”の自覚

短い距離なら歩ける。でも長時間は無理やった。

椅子の高さほどの場所を見ると、
無意識に腰を下ろしていた。

気づけば、大好きだった自転車にも
乗らなくなっていた。

楽しさが、しんどさに負けた。

この頃から、装具をつけたり、
疲れたら車いすを使うことが増えた。

正直、抵抗はあった。

装具も、車いすも、
“違い”をはっきりさせる存在やったから。

筋ジスの進行と、
思春期特有の心と体の変化が重なり、
一番つらい時期やったと思う。


12歳|うつ状態と距離をとる選択

小学校でよく聞いた
「障害がある人には優しく」という言葉。

その“特別扱いの空気”が、
どうしても好きになれなかった。

本心からの優しささえ、
お節介に見えてしまう。

気づかないうちに、疑心暗鬼が膨らんで、
学校へ行くのがしんどくなった。

「1日だけ休みたい」
そう伝えて、休んだ。

でも、その理由に尾ひれがつき、
プリントを届けに来た友達に
「俺らのせい?」と言われた。

その一言で、
学校へ戻れなくなった。

なんであの時休んだんやろうと、
自分を責め続けた。

気づけば、
沼に沈むように、うつ状態になっていた。

小学校最後の半年は、
しんどいことから距離をとり、
ひきこもり生活を選んだ。

それは逃げやったかもしれん。
でも、あの時の俺には、
必要な休息やった。

未来を支える“できた”体験

いつかはできなくなることがある。でも、
今だからできることがたくさんある。

目を向けるべきは、遠い未来やなくて、
いま確かに動いている、この瞬間。

筋ジスで歩けなくなる前なら、
お子さんの力でも、
ほんの少しの挑戦や工夫、努力で
今、できることは、増やせる。

当事者の立場から、
“今日からできること”を挙げてみる。

体で得られる達成感は、
あとから大きな支えになる。


体験のアイデア

・キャンプ、魚釣りなどの自然と触れ合うアウトドア
・料理、モノ作り(木工・プラモデル)などの手作業
・自転車、ちょっとしたスポーツなどの運動

※体験は体調と安全に配慮し、
必要に応じて医療者に相談を。
無理せず、「小さく始める」ことが大事。


とにかく、
世界を遊び尽くすくらいの感覚で、
興味を持ったらやってみる。

お子さんが体を自由に動かせるうちに、
いろんな場所へも足を運んでほしい。

車いす中心の生活になると、
気軽に行ける場所が減ることもある。

だからこそ、
「今しかできない移動」も大切にしてほしい。

子どものころの楽しかった体験は、
大人になっても消えへん。

自分の足で訪れた場所。
自分の力で積み重ねた経験。

それは、
未来の自分を支える財産になる。

今の俺が前を向けているのは、
あの頃の“できた”体験が
確かに心に残っているからや。

過去の自分が、
「今を楽しめ」と背中を押してくれる。

だからこそ、
“いま”の体と心が喜ぶ体験を、
親子で少しずつ重ねていこう。

笑顔は、
「いま大切なものを抱えて生きている」
その証や。

まとめ|いっしょに生きて、いっしょに笑う

ということで、
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの当事者である翔平坂が、
0歳から12歳までに感じてきたことをもとに、
ご家族へ伝えたいことを綴ってきた。

お子さんがデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断され、
先の見えない不安に包まれているかもしれない。

でも、あえて言わせてほしい。

筋ジスの“先輩”として、
意外と大丈夫。なんとかなる。

立ち止まる日もある。
不安で押しつぶされそうになる夜もある。

それでも気づけば、
俺はちゃんと笑っていたし、
人生を楽しんでいた。

ご家族の幸せは、
きっとお子さんの幸せにつながる。

泣きたいときは泣いていい。
笑いたいときは笑えばいい。

完璧じゃなくていい。
一緒に笑える時間があること。
それが、いちばんの“正解”や。

今にしかできないことを、
親子で少しずつ重ねてほしい。

筋ジスがあっても、
笑うお子さんの姿は、
「あなたは悪くない」という証明や。

親も子も、自分を責めなくていい。

いっしょに生きて、
いっしょに笑えたら、それで十分や。

この記事が、
筋ジスを持つあなたやご家族にとって、
ほんの少しでも心を軽くする材料になれば、
これ以上うれしいことはない。

よろしければ、
コメント欄で感じたことを教えてほしい。

また、デュシェンヌ型筋ジストロフィーについて
気になることがあれば、気軽に書いてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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